カジノ内でのレストラン経営は割に合うのか?

カジノとは、運命の女神を頼りに、人々が真剣に運試しをする場所のことですよね?それなら、一体なぜ食べ物に関してそんなに入れ込む必要があるのでしょうか?次々とゲームをしながら、ゲストたちがどのくらいの時間をカジノで費やすか、考えてみてください。

カジノでゲームに夢中になって何時間も過ごせば、ゲームに集中するための十分なエネルギー補給が必要となるでしょう。さらに、ゲームをしながらスナックをつまむことによって、プレイヤーたちはリラックスすることもできます。有名カジノ店舗を訪れれば、広範なフードメニューの中からお好きなものを選ぶこともできるのです。

そのため、大半のカジノでは、ゲストたちが食事をする場を提供しています。典型的なフルサービスのカジノには、ビュッフェレストラン、24時間営業のカフェ、ファストフード店、ステーキハウスなどが必ず設置されています。多くの場合、これらの食事場所は、利益(売り上げ)を目的としているわけではなく、ゲーマー向けのマーケティング手段として人々をカジノへ惹きつけています。

この傾向は、ギャンブル以外では、ほとんど収入が見込まれない小規模の地方カジノで特に顕著です。例えば、カンザスシティにある「アメリスター」は、もっぱら地元客向けに営業しているカジノですが、レストラン収益だけで12億2千万ドルの純売上をあげており、ゲーミング収入については12億5千万ドルとなっています。

このアメリスターのケースでは、プロモーション(無料の食事や宿泊など)として総計2億7,400万ドルを費やしたため、ゲーム以外からの収入が足を引っ張ることになりました(2020年度調査結果より)。ですから、カジノオーナーはダイニング部門の営業を見直し、それらがゲーミングに間接的な影響を及ぼしているかどうかを調べる必要があります。

カジノに来る消費者が重視する様々な分野の中で、食事というものがゲーミングにどのように貢献しているのか、経営者はとりわけ認識を深めておく必要があります。より付加価値の高い分野は、重要度が高く、ゲストたちはカジノ内で多くのお金を使っていきますが、それは高級レストランが彼らを惹きつけ、それによってゲーミングも増大するということを意味するのでしょうか?

一方、付加価値の低い部門は、重要度が低いのですが、彼らは顧客ベースのかなりのシェアを占めているのです。ですから、魅力的かつ手頃な価格帯の食事オプションを提供するのが望ましいといえるでしょう。

カジノのマーケティングにおいて、顧客が価値を置く分野の重要性を考える場合、意外なことにも、様々な部門やリワード層に関する顧客の志向や行動パターンを調べた研究が全く出版されていないのです。しかし、食事場所がゲーミング業界の歳入の2番目に大きな収入源になっているという証拠が次第に多くみられるようになっています。

多くの研究によると、その関係性は食事場所のタイプによって変わってくるようです。ラスベガスの地元カジノを訪れる人々にアンケートしたところ、カジノのコーヒーショップとグルメレストランでの食事と彼らのゲーミング支出額(本人報告)とは関連性があり、ビュッフェでの食事とは関連性が見られないことがわかりました(Roehl調査より)。

また、カジノでの日次データによると、カジュアルな食事場所での食事が低価格(25セント以下)のスロットマシンの収益増の主な要素となっていることがわかりました。さらに、ラスベガスのあるカジノと2軒のリバーボートカジノでは、総計で評価した場合、レストランの客数とスロットマシンとの間に重要な関連性が見られています。

しかし、Lucas and Brewer (2001年) がラスベガスの地元カジノからのデータを分析したところ、レストランでの食事の注文数とスロットマシンの売り上げとの間に、これといった関連性を見出すことはできませんでした。それでも、カジノレストランでの食事は、そのカジノに再び戻ってくる確率や、他の人にそのカジノを推薦する確率と関連性があることは明らかだといえるでしょう。